自然分娩の場合、妊婦は出産当日まで自宅(もしくは実家)にいます。
出産のサインは陣痛です。
陣痛の間隔が短くなってきたら産院に移動します。(自宅出産を除く)
当たり前の流れなのですが、その中で「移動」はけっこう難題です。
妊婦の体力的にも厳しいですし、急に出産が始まってしまうというかなり危険な不確定要素があります。
一方で移動が早すぎると、病院に着いてから再び自宅に帰される場合があります。
出産に時間がかかる初産婦は特に要注意です。
初産の場合、陣痛の感覚が5~7分になったら病院に連絡して移動となります。
つまり、約5分おきに強烈な痛みが襲ってくる中で移動する必要があります。
そのため移動手段は入念に計画を立てておこうと思ったのですが、意外にもインターネット上には網羅的な情報が見つかりませんでした。(2020年5月時点)
検索上位に出てくるのは「妊婦が質問して子育てママが個人の経験を回答する」ような質問サイトへの投稿です。
網羅的に書かれたサイトが(検索上位に)出てこないということは、移動手段で悩む人は少ないのかもしれませんが、個人的に気になったので各移動手段を簡単に比較してみました。
徒歩
病院が自宅から非常に近い場合に可能な方法です。
距離的には1kmが限界だと思います。
健康な人が歩くと15分くらいかかるので、陣痛に堪えながらだと倍以上の時間がかかると思います。
人通りがない場合、一人で歩くのは危険なので短距離でもタクシーを呼ぶ方が安全です。
自宅から病院までが遠い場合に、出産前から病院近くのホテルに宿泊するケースも徒歩にあたります。
自転車・バイク
妊婦の利用については産科医でも慎重派と容認派に別れるところですが、それでも妊娠中期まで、徒歩だと著しく不便な場合に限るとする考え方が主流です。
徒歩に比べてスピートが出るため事故児の被害が大きくなりやすく、また自立して停止できないため、体のバランスが妊娠前と変わって転倒しやすい妊婦にはより危険が伴います。
電車・バス
公共交通機関として頻繁に決まった場所に行くのに便利な方法です。
しかし陣痛時の移動手段としてはあまり推奨されません。
バスは振動が大きく、電車は駅での(縦方向の)移動に時間がかかるからです。
どちらも混雑時だと座れない恐れがあり、体力的負担が大きいです。
自宅も病院も駅から近い場合であれば利用可能な移動手段です。
それでも深夜の移動時など代替手段の事前検討は必要となります。
自家用車
おそらく最も多く使われている方法だと思います。
特に里帰り出産では運転できる人が家に複数いる(ことが多い)ので安心感が大きいです。
日常的に運転している人が乗り慣れた車を操作するという点も安全ポイントです。
一方で例えば平日日中に陣痛がきて、運転できる人が他におらず妊婦本人が運転して病院に行ったという猛者もいるようですが、タクシーを使うべきとされています。
レンタカー・カーシェア
都市部では使いやすいと思われる方法です。
事前予約や貸し出し時間の制限が厳しいレンタカーよりは、直前予約・短時間利用が可能なカーシェアの方が使い勝手がいいです。
自宅の近くに複数台のカーシェア用の車が設置されていれば予約対応力の面で安心です。
自家用車と異なり単発利用が可能なのが利点ですが、使いたい時に使えないリスクがあります。
また普段運転しない人が乗り慣れない車を運転するのは要注意ポイントです。
タクシー
安全面で最も信頼性の高い方法です。
タイムリーに配車できるかが不確定要素ですが、その点を向上した専用サービスがあります。(陣痛タクシー、マタニティータクシーなど)
このタイプのサービスの多くは登録無料、自宅・病院の事前登録で当日の指示不要、24時間対応、優先配車です。
それでいて追加サービス料は「通常のタクシーに数百円の迎車料金が加算されるだけ」というものが多いので、安全面でも料金面でもおすすめです。
サービス利用可能な場所に住んでいるのであれば、登録だけでもしておくといいと思います。
救急車
「禁止されてはいないが、最終手段としてのみ許容される」レベルの方法です。
詳しくはこの記事を参照ください。
https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/sanhatakusiondeiino-takusinoha
使うとしても、まずは出産する病院に連絡して指示に従うのが無難です。
今回は陣痛時の移動手段を紹介しました。
ただし移動手段は陣痛のタイミングによっても変わってきます。
次回はその検討を紹介したいと思います。
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