共働きで2人姉妹を育てる父親の生き残り戦略

2歳と0歳の姉妹を育てています。2020年4月~5月前半:育休準備編 5月後半~8月:育休編 9月~:片働き編

産休・育休中に解雇されたらどうすべきか(育休21日目)

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産休・育休の取得を理由に解雇されることを「産休切り・育休切り」と言うそうです。

男性である私は産休は取りませんが、育休中の身として看過するわけにはいきません。

 

今回は産休・育休切りの実態を知り、対処法を考えます。

 

法律による取り決め

会社と従業員の労働契約を解除する場合、会社が主体となって行うのが解雇従業員が主体となるのが退職です。

 

大前提として労働契約法第16条により「客観的に見て合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない解雇は無効」と定められています。

これは産休・育休中に限りません。

 

上記のような一般的な定めは専門の解説を参照いただくとして、今回は「産休・育休中に限った(より強い)取り決めがあるのか」を説明します。

ちなみに「解雇」と表現していますが、解雇以外の不利益な取り扱い(降格、減給、強制的な配置転換等)も含みます。

 

産休中の解雇の制限

労働基準法第 19 条により、産前産後休業の期間及びその後 30 日間の解雇は禁止されています。

また男女雇用機会均等法第 9 条第 4 項により、妊娠中・産後 1 年以内の解雇は「妊娠・出産・産前産後休業取得等による解雇でないこと」を会社が証明しない限り無効とな
ります。

 

雇用機会均等法に違反した場合、労働基準監督署への通報により会社が是正指導を受け、その後も会社の対応が是正されない場合は企業名が公表されます。

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https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000089160.pdf

 

育休中の解雇の制限

育児・介護休業法第10条により、事業主は労働者が育児休業を希望、又は取得したことを理由として、当該労働者を解雇することはできません。

休業中の解雇がすべて禁止されるわけではありませんが、休業取得以外の正当な解雇理由があることが十分に立証されない限り、その解雇は無効となります。

 

育児・介護休業法に違反した場合のペナルティーは ①公表制度 と ②過料 があります。

① 厚生労働大臣からの勧告を受けた会社が当該勧告に従わなかった場合、企業名が公表されます。

 

② 厚生労働大臣及びその委任を受けた都道府県労働局長は、必要に応じて会社に対して報告を求めることができます。この報告の求めに応じない、又は虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料に処されます。

 

ちなみに育児・介護休業法は割と頻繁に改正されています。

直近では2017年に大幅改正があり、来年(2021年)にも改正法が施行されます。

リーマン・ショック後の2008年には厚生労働省が産休・育休取得者に対する不利益な扱いの厳正な対応を労働局に通達しており、不況時には従業員の権利侵害が起きやすいようです。

 

産休・育休切りへの対処法

結論から言うと、残念ながら完璧な対処法はありません

 

前述の通り、法律によって「産休・育休を理由とした」解雇は制限されています。

しかし会社側が産休・育休を理由とした解雇だとは言わないでしょう。

過去の勤務成績や勤務態度などを総合的に考慮した結果だと反論するはずです。

 

そのような場合に従業員個人ができることはほとんどありません

しかしながら、近年の判決(広島中央保健生協事件)により従業員に有利になった点があります。

これにより、「産休・育休を理由とした」から「産休・育休を契機とした」と解釈されるようになりました。

 

分かりやすく説明すると、育休取得と近い時期に不利益扱い(解雇)が行われた場合には、原則として違法と判断されます。

会社の措置が違法でないと主張するためには、会社自らが「産休・育休取得と無関係である」ことを立証しなければいけません

この近い時期とは厚生労働省によると1年間とされています。

 

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https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000137181.pdf

 

産休・育休切りの対処が難しい別の観点としては、従業員からの申し出による退職は制限されていない点です。

 

産休・育休取得中や取得後に退職したケースの中には、強制的な配置転換によって従業員が退職せざるを得なかったものもあると考えられます。

最近だと、2019年にカネカの処遇が大きくクローズアップされました。

 

注意点としては、あくまでも「休業による不利益を受けないようにする」ということです。

例えば会社の業績が急激に悪化して大規模なリストラが行われる場合に、産休・育休取得者のリストラ優先順位が下がる(優遇される)わけではありません

 

産休・育休中に解雇されたらどうすべきか

総括としては、育休中に解雇の話が出てくることはまずないです。

 

もしそうなるとしたら、残念ながら元から勤務評定が悪く解雇リストの上位にいた、という事なので手遅れです。

 

育休切りの疑いで従業員から訴えられる(そしてその立証責任は会社に求められる)リスクと、会社として(社会保険料などの)コスト負担のない育休中社員をわざわざ解雇するリスクを取ることにした会社の決断の意味を重く受け止めるべきです。

 

(もう1つの可能性としていわゆる報復人事も考えられますが、こちらの方こそ「訴訟しか方法がないが、訴訟で勝つか和解してもその後に会社に残るのは苦痛」ということで、有効な対処法がありません…)

 

終わりに

育休中における一方的な解雇の可能性は低いとして、次に心配なのは育休中に会社が倒産した場合です。

次回はこのことを検討したいと思います。

今回は触れませんでしたが、育休取得者の最大関心事である「育児休業給付金はどうなるのか」も考えていきます。

 

※ この記事の内容は個人で調べた結果に基づいています。最新情報及び厳密な内容は別途ご確認ください。

 

 

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