数年前に人事の仕事をしていた時のことをふと思い出したので書きます。
私の本業はエンジニアなのですが、半年だけ人事部で新卒採用業務を経験しました。
本題とは関係ないですが、専門と全く異なる仕事は今までにない視点を得られることが多いので、機会があれば飛び込んでみることをおすすめします。
(トレードオフとして専門スキル向上が中断すること、そして人員配置によっては戻れなくなるリスクがあることを申し添えておきます。)
新卒採用におけるヤバい奴
私の場合は専門家向けの技術業務から一般向けの事務業務に移ったので、かなりの環境変化でした。
新卒採用では大学生が仕事相手(顧客)です。
まあ顧客と言っても見込み客なので、優秀な学生(優良顧客)とそれ以外(一般顧客~お断りすべき顧客)がいます。
その見分け方については割愛しますが、優良顧客に対しては人事担当(、ひいては会社)として優遇システムを用意していました。
(学歴フィルターとかではなく、あくまで自社で成果を出しやすい条件を備えていると認められる学生個人に対する優遇でした。)
つまり、仕事能力が高い(と思われる)学生は早期採用されやすくなります。
ところで、学生は職業人ではないのでコンプライアンスに疎いです。
しかも最近は個人の発信力が高まっているため、インターネット上にある個人情報を特定することが容易になっています。
この2点が重なると、会社から見てヤバい奴が炙り出されます。
人事担当者も暇ではないので情報を網羅しているわけではありませんが、比較的簡単にチェックできることはやっています。
- 選考通過の連絡直後に「○○社から二次合格キター!」とかTwitterで呟く奴
- 面接後に、会社に対する悪態を就活掲示板に書く奴(こういう奴はアカウント名が本名の一部であることが多い印象。DragonT←こいつ田中龍だろ!とか)
- インターンシップ中もしくは終了直後に、オフィス内で撮ったスマホ写真をSNSで公開する奴
上記の1と2はコンプライアンス違反ではありませんが、人事としてマークすべき対象です。
そして3は、インターンシップの秘密保持契約書に書いてあったり、説明していたら明確にNGです。
コンプライアンス違反をする可能性が高いと、仕事能力が高くても会社としてはお断りです。
なぜコンプライアンスが重要なのか
多少極端ですが例を挙げて説明します。
コンプライアンス意識が低く仕事能力が高い人と、コンプライアンス意識が高く仕事能力が低い人の選択を迫られた場合、企業は後者を採用する可能性が高いです。
全社は会社倒産につながる可能性がある一方、後者は年収分の損失で済むからです。
(後者が職場を混乱に陥れて損失はもっと膨らむかもしれませんが。)
現にコンプライアンス違反で毎年200社が倒産しています。
就職活動に限って言うと、厳密にはコンプライアンス違反をしているか否かと言うより、人気企業は「疑わしきは採用せず」という方針を採れることです。
悪いことはしていなくても、バカなことを公にしていると敬遠される可能性が高まります。
コンプライアンス意識とネットリテラシーの両立が大事です。
もちろん、コンプライアンスを遵守すれば仕事ができなくてもいい、ということではないです。
コンプライアンス、それは当たり前のことを当たり前にやる、ということ。
P.S.
私の会社の話ですが、コンプライアンス違反の処分が全社に公表されていました。
「あるプロジェクトのトップによる悪質な経費精算があったため、諭旨解雇とした。」という内容でした。
それに続いて「有望な人材が会社を去ったことは極めて遺憾」と書かれており、コンプライアンス>仕事能力という会社のメッセージが表明されていました。
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