子どもが玄関に靴を脱いだ後にバラバラに散らかっていること、よくあると思います。
私も困っていたのですが、あることをしたら靴が勝手にそろってくれるようになりました。
- 子どもの帰宅後、玄関に靴が散乱してストレスフル
- ナッジ理論を活用して課題を解決したい
- そもそも「靴をそろえる」とはどういうことか
- 子どもが何をすればいいのかすぐに把握できる装置を作る。紙とペンで
- 靴をそろえる方法を可視化した効果
- 靴をそろえる装置によるナッジは効果がある。しかし万能ではない
子どもの帰宅後、玄関に靴が散乱してストレスフル
子どもは当時3歳と5歳だったのですが、毎日の帰宅後は靴を脱いでそのままになっていました。
その状態が気にはなっていたので、時々指摘してそろえるようにしていましたが、習慣化はしませんでした。
そうなると言う方も疲れるし、自分でやった方が速いので、後から親が靴を揃えることが多くなっていました。
それもまたしつけとして良くはないのでモヤモヤという状態が続いていました。
ナッジ理論を活用して課題を解決したい
2017年にノーベル賞を受賞してにわかに話題になり、子育てへの応用例も聞かれるようになったナッジ理論を活用できないか、考えてみました。
ナッジ理論とは、意思決定を強制せず、それでいて自然に良い選択を促す手法です。
ナッジとは英語で「そっと背中を押す」という意味があります。
行動経済学に基づいて、相手の行動をうまく誘導する手法でもあります。
そもそも「靴をそろえる」とはどういうことか
考えたことがあるでしょうか?大人ならイメージはすぐにできると思います。
一方で、それを誰でも再現できるように言語化するのは、なかなか難しいと思います。
「きちんと丁寧に靴がそろった状態にする」ではNGです。
ひとつの解答例は以下です。
「左右の靴を玄関の所定の位置に、履く時と同じ位置関係で、かつ隙間を開けず前後にずらさず、再び履きやすいように置くこと」
…ものすごく回りくどい日本語になってしまいました。
それでも厳密には「所定の位置」や「再び履きやすいように」という部分がかなり簡略化されています。
実際には自分の靴1足だけでなく、複数の靴との関係を踏まえて決定を下していかないといけないからです。
いろいろ理屈っぽいことを書いてしまいましたが、要は「靴をそろえる」のはかなりの前提条件(常識)がないと適切に行えないということです。
子どもが何をすればいいのかすぐに把握できる装置を作る。紙とペンで
ここでようやく今回の主題に入ってきました。
ここまでの話を踏まえると、知識(常識)が少ない子どもに対して、どのように条件付けをすればいいかが分かってきます。
先ほど出てきた要素、つまり「靴をどこにどのような状態で置けばいいか」の理解をサポートすればいいことになります。
使うものは以下です。
1.紙(靴1足が収まる大きさ、A4サイズ)
2.ペン(サインペンなど太めが視認性として良い)
追加でクリアホルダーを使うと、非常に長持ちします。
作り方はとても簡単で、紙に靴底のサイズに合わせた線を書くだけです。
それを玄関に置きます。
わが家が使っているものはこちらです。
左が上の子(5歳)、右が下の子(3歳)用です。
黒塗りしている部分にはそれぞれの名前を書いています。
子ども1人なら書かなくてもいいですが、毎日目にしているうちに、3歳の子も自然と自分の名前を読めるようになったので学習効果はあると思います。
靴をそろえる方法を可視化した効果
さて、肝心の靴をそろえるようにする効果については、思いのほかうまくいきました。
初めて見た時から興味を持ち、やり方を細かく教えなくても足型にそろえて靴を置いてくれました。
その後も以前と比べると目に見えて靴がそろっていることが多くなりました。
5歳の長女だけでなく、3歳の次女も「靴をそろえる」ことができるようになりました。
靴をそろえる装置によるナッジは効果がある。しかし万能ではない
靴のそろえ方を本能的に分かりやすくする装置は成功したと書きましたが、100%狙い通りにできるわけではありません。
体感的には6割くらいの確率でそろうようになりました。導入前は1割以下だったので、そっと背中を押す(ナッジ)効果はあると思います。
それでも子どもなので気分次第で成功確率はかなりブレます。
加えて個人差も大きいので、やってみて少しでも効果があれば良し程度で、気長に取り組んでいくのがオススメです。